ブレグジットに関する 議会採決と ポンドの行方について

3月12日にイギリス下院でEUとメイ首相の協定案に対しての決議が出ます。

これまでEU離脱に関して上手くまとまらずに延期をしてきましたが、もともとの起源とされているのは3月29日です。

そこで離脱するのであれば今回の議決が最終決定となる可能性があるので、注目されています。

イギリスがEU離脱に関してどのような問題があるのか、それについて触れていきます。

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目次

【動画】ブレグジットに関する議会採決とポンドの行方について

ブレグジットに関する採決の行方

なぜイギリスはEUを離脱したのか?


まずはおさらいとして、イギリスがEUを離脱した流れを説明しておきます。

キャメロン元首相がEU離脱の可否を問う国民投票をすると約束したのは2013年1月でした。

なぜ国民投票をする流れになったのかというと、

・移民問題

これが大きな原因として挙げられます。

移民問題

イギリスは移民に対して寛容であったということから、キャメロン元首相は移民を年間数万人に留めると約束していたが、実際には年間36万人にも及ぶ移民の受け入れをしていました。

うちEU域内からの移民が18万人にも上り、
これによって社会保障や教育の面でも元々いたイギリス国民と同じように扱わなければいけないということに不満が噴出。

また労働という意味でも移民は低賃金で雇用しやすいため、イギリス人労働者たちの職を奪うという事態が起きていて、それも大きな反EU感情を高まらせる原因になっていきました。

イギリス国民が不満を持つのもよくわかります。

これらの国民の声を受けてEU離脱の可否を問う国民投票が行われるに至りました。

国民投票によりイギリスがEU離脱を決定

2016年6月に行われた国民投票によって、離脱が52%、残留が48%と僅差で離脱派が勝利し、EUを離脱することが決まりました。

この時、キャメロン元首相はEU残留を支持しており、投票に負けたことで退陣することとなりました。

そして首相に就任したのがメイ首相になります。

メイ首相はEUとの離脱を指揮していくことになりますが、問題点がいくつもありそれをクリアできるかどうかがイギリスがEUと合意のもとに離脱させられるかのポイントとなっています。

その問題点が、

・ロンドンに拠点を置く金融業や製造業の離脱の可能性
・各国と貿易協定を締結しなおす必要がある
・北アイルランド問題

などが挙げられます。

なかでも北アイルランド問題はかなり大きな問題となっており、これをクリアできるかが課題とされています。

北アイルランド問題とは

北アイルランドはイギリス領でありながら、イギリスとは地続きではなくアイルランドと地続きの国になります。

北アイルランドでは根深い問題があり、1922年にアイルランドがイギリスから独立した時に北アイルランドはそれに加わらず、イギリスに残りました。

元々はカトリックが多かったんですが、スコットランドから大量のプロテスタントの移民を受け入れたため北アイルランドは、そのままイギリスに残るようになりました。

それが1960年代末になると両派閥の対立が激しくなり、1969年に武装闘争が始まり紛争が始まるに至ります。

その後30年間紛争が続くのですが、その間に3500人もの死者を出すほどの大きな紛争になっていました。

お互いに憎しみあい、敵対心の深さから不可能だと言われていた和平が、1998年4月10日に当時の英首相であるブレア元英首相が合意を結ぶことを成功させました。

イギリスもアイルランドもEU加盟国であるという下地があったことも成功の要因の1つとされています。

和平が成立したことによって、アイルランドと北アイルランドの国境付近にはアメリカ企業が進出するなどの経済発展も見られ、
EU側も積極的にアイルランドの南北統合を促進する投資を進めていました。

約100年間もの間分かり合えなかった両国の和平が成立した瞬間でした。

EU離脱により北アイルランドはどうなるのか

これに関してはEUとイギリスでどのような協定が結ばれるかによりますが、北アイルランドはイギリスに属する国になります。

アイルランドと地続きではあるものの、和平成立によって国境がなくなっていたところに国境が定められ、イギリスからの物資の行き来には関税が課せられる可能性があります。

それだけならまだしも、紛争が途絶えてまだ間もないため、過去憎しみ合った間柄というのは残っています。

今回のEU離脱により和平が全て水泡に帰して、再度紛争が起きてしまうような事態も今後もしかしたらあるのかもしれません。

それほど北アイルランド問題は大きな問題となっています。

まとめ


EUとメイ首相の協定案の下院決議、それの可否が出るのが日本時間13日未明と言われています。

そこで可決されれば合意ある離脱となり、3月29日に無事イギリスはEUを離脱することになります。

しかし、そこで否決されれば14日までに3月29日のEU離脱を延期するか、合意なき離脱となるかの決議を再度行うこととなっています。

もし合意なき離脱となればイギリス経済は一時混乱し、機能しない事態も考えられます。

最悪のシナリオとしてはアイルランドと北アイルランドの紛争が未来で始まる可能性もないとは言えません。

そのようなことは避けたいですが、どうなるのか?

イギリスの運命の日はすぐそこに来ています。

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